W inter Angel
エピローグ
「はぁ~っ、参った参った。何で雪まで降ってくるわけ。あぁーあっ、もうこんな時間。麗子様起きてるかな?」
マリアは階段を上がると麗子の自室をノックした。
「麗子様。麗子様?まだお休みですか?」
ドアノブに手を掛けて訪ねてみるが中から返事はなかった。
「やっぱりまだお休みみたい」
マリアが諦めて戻ろうとしたとき、突然ドアが開いた。
「マリア。マリア」
目を赤く潤ませた麗子がマリアを両手で抱きしめた。
「どうしたんですか?麗子様」
「マリア、あなたどこに行っていたの?捜したのよ」
「クリスマスケーキを取りに、ケーキ屋さんまで行ってました。予約してましたから」
「だってあなたの靴、玄関にあったじゃない」
「ああ、新しいブーツ買ったんです。自分へのプレゼントに。この前『アマデウス』に行ったときに思い出して。そしたら歩きにくくて、おまけに雪は積もってくるし、いつもの倍くらい時間掛かっちゃいました」
「そうだったの。この間悲しそうに空を見上げてるからつい・・・」
「えっ?そうですか?クリスマスなのに雨だから、この雨が雪にならないかなぁって、思ってたんですよ」
「マリア、あたしこの間ね・・・」
麗子は夢のことをマリアに話そうかと思った。
「ううん、何でもない。もういいの」
「何ですか?麗子様ぁ。気になるじゃないですか」
「いいのよ。もういいの。あなたがこうして、ここにいてくれれば」
「変な麗子様」
麗子はベッドの脇に腰を下ろした。その時、1枚の白い羽が舞い上がった。
そうだ、この羽は?この羽はマリアの・・・。
「あれ、すみません。羽落ちてました?この間掃除した時に落ちたんですね」
「えっ?掃除?」
「はい、羽根枕はたきましたから。バルコニーで」
バルコニーで羽根枕を・・・その時の羽がさっき窓を開けたときに、吹き込んだ風で舞い上がって。
「あっ、そ、そうなの。あたしったら」
夢、夢、みんなただの夢なのに。その夢にいい大人が翻弄されて、本当に恥ずかしい。麗子は夢の話をマリアにしなくて良かったと、内心ほっとした。
「なんだかお腹空いちゃった。何かスープでも作って、マリア」
「早いほうが良ければ、インスタントのミネストローネスープがあります。お時間をいただければマリアが腕によりを掛けて、クラムチャウダーを作りますけど。どちらにいたしますか」
「そうねぇ。クラムチャウダーをいただこうかしら」
「はい。それでは早速」
マリアは部屋を飛び出すと、階段を駆け下りていった。
「いいのよ、時間が掛かっても。あなたが作ってくれるんだもの。マリア。
いくら時間があっても、あなたがいない時間では意味がないもの」
暫くして麗子はキッチンへ顔を出した。
「マリア、夕方からモーツァルトコレクションに出かけるわよ」
「はいっ、麗子様。最高のクリスマスプレゼントです」
マリアは最高の笑顔で麗子に振り返った。
「はぁ~っ、参った参った。何で雪まで降ってくるわけ。あぁーあっ、もうこんな時間。麗子様起きてるかな?」
マリアは階段を上がると麗子の自室をノックした。
「麗子様。麗子様?まだお休みですか?」
ドアノブに手を掛けて訪ねてみるが中から返事はなかった。
「やっぱりまだお休みみたい」
マリアが諦めて戻ろうとしたとき、突然ドアが開いた。
「マリア。マリア」
目を赤く潤ませた麗子がマリアを両手で抱きしめた。
「どうしたんですか?麗子様」
「マリア、あなたどこに行っていたの?捜したのよ」
「クリスマスケーキを取りに、ケーキ屋さんまで行ってました。予約してましたから」
「だってあなたの靴、玄関にあったじゃない」
「ああ、新しいブーツ買ったんです。自分へのプレゼントに。この前『アマデウス』に行ったときに思い出して。そしたら歩きにくくて、おまけに雪は積もってくるし、いつもの倍くらい時間掛かっちゃいました」
「そうだったの。この間悲しそうに空を見上げてるからつい・・・」
「えっ?そうですか?クリスマスなのに雨だから、この雨が雪にならないかなぁって、思ってたんですよ」
「マリア、あたしこの間ね・・・」
麗子は夢のことをマリアに話そうかと思った。
「ううん、何でもない。もういいの」
「何ですか?麗子様ぁ。気になるじゃないですか」
「いいのよ。もういいの。あなたがこうして、ここにいてくれれば」
「変な麗子様」
麗子はベッドの脇に腰を下ろした。その時、1枚の白い羽が舞い上がった。
そうだ、この羽は?この羽はマリアの・・・。
「あれ、すみません。羽落ちてました?この間掃除した時に落ちたんですね」
「えっ?掃除?」
「はい、羽根枕はたきましたから。バルコニーで」
バルコニーで羽根枕を・・・その時の羽がさっき窓を開けたときに、吹き込んだ風で舞い上がって。
「あっ、そ、そうなの。あたしったら」
夢、夢、みんなただの夢なのに。その夢にいい大人が翻弄されて、本当に恥ずかしい。麗子は夢の話をマリアにしなくて良かったと、内心ほっとした。
「なんだかお腹空いちゃった。何かスープでも作って、マリア」
「早いほうが良ければ、インスタントのミネストローネスープがあります。お時間をいただければマリアが腕によりを掛けて、クラムチャウダーを作りますけど。どちらにいたしますか」
「そうねぇ。クラムチャウダーをいただこうかしら」
「はい。それでは早速」
マリアは部屋を飛び出すと、階段を駆け下りていった。
「いいのよ、時間が掛かっても。あなたが作ってくれるんだもの。マリア。
いくら時間があっても、あなたがいない時間では意味がないもの」
暫くして麗子はキッチンへ顔を出した。
「マリア、夕方からモーツァルトコレクションに出かけるわよ」
「はいっ、麗子様。最高のクリスマスプレゼントです」
マリアは最高の笑顔で麗子に振り返った。