5真弓はティッシュケース大の箱と、小さなガラスのビーカーを引き寄せた。そして小瓶の中身を、少量ビーカーに入れた。真弓は箱からマドラーを思わせるステンレスの棒を取り出すと、その棒の先にひと摘みの脱脂綿を巻きつけた。その棒の先端数センチは針金のように細く、あえて鮫肌のようにザラザラに加工されており、脱脂綿を巻き付けるには最適な滑り止めとなる。球状になった脱脂綿も、ソコにしっかりと固定された。その脱脂綿...