7その日の午後、時江は三階の病室に移動した。「いいお天気ねぇ。今日は遠くまでよく見えるわ」由美は病室のカーテンを開けると、三階の窓から見える景色を眺めた。その姿に、時江は上半身を起こしてヘッドボードに寄り掛かった。「あらっ、ホントですね、早くカーテン開ければ良かったわ」時江が三階の病室に移って一週間が過ぎた。「窓も開けて、換気しますね」「はい、すみません」中村時江は、頭だけをペコリと下げた。由美が...