花乃杜病院花の森の花カマキリPROLOGUE「慌ててブレーキを踏んだところまでは憶えているんですけど……、そこから先はチョット……」「そう。そこから先の記憶は無いのね」「はい。気が付いたら、このベッドに……」『時江』は改めて目新しい白い壁や天井に目を巡らせた。「結構な事故だったらしわよぉ。パトカーが何台も来て、多分ドライバーは死んだんじゃないかって、思われてるみたい」「そうなんですか?」「だってあなた、電信柱が...