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あなたの燃える手で

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花乃杜病院



乃杜病院
の森のカマキリ



PROLOGUE
「慌ててブレーキを踏んだところまでは憶えているんですけど……、そこ
から先はチョット……」
「そう。そこから先の記憶は無いのね」
「はい。気が付いたら、このベッドに……」
『時江』は改めて目新しい白い壁や天井に目を巡らせた。
「結構な事故だったらしわよぉ。パトカーが何台も来て、多分ドライバー
は死んだんじゃないかって、思われてるみたい」
「そうなんですか?」
「だってあなた、電信柱が傾いちゃったんだから」
「えぇ? そんなに……?」
「そうよ。単独事故だから良かったんだけどね、あれで人でもいたら、間
違いなく死人が出たでしょうね……。でも良かったわ、意識が戻って」
「あたし、意識が無かったんですか?」
「そうよ。あなたがココに担ぎ込まれてから、今日でちょうど一週間ね」
「そんなに……」
「全身打撲で、特に手足の骨はボキボキだったみたいよ。手術は終わって
るから、後はリハビリね。時間は掛かると思うけど頑張りましょうね、そ
れからコレ、痛み止めのお薬」
彼女は薬の白い袋を振って見せると、それをベッドサイドに置いた。
「ここに置いておきますよ。痛くなったら飲んでくださいね。食後よ」
「あっ、はい……」
「それじゃ、頑張りましょうね、中村さん」
それだけ言うと、『吉川』という名札を付けた看護師は、クルリと背を向
けドアに向かって歩き出した。
「ありがとうございます」
時江がそう言い終わらないうちに、病室のドアは静かに閉まった。




『桜泉町(おうせんちょう)』は、鎌倉時代の街並みを残す古い町だ。
小さいながらも町中に点在する神社仏閣、未だに多い木造住宅、そして駅
前でさえ、夜八時ともなればほとんどの店のシャッターが閉まる。
京都奈良には遠く及ばないが、それでもこの町の住人達は、ここが小京都
と信じて疑わない。
そんな町の片隅に、『花乃杜病院(はなのもり)』はあった。
三階建てのこぢんまりとしたその容姿は決して目立たず、むしろこの町の
色や雰囲気に合わせるように溶け込んでいる。

院長の『花ノ森 泉』は、親の代からの病院を受け継いだばかりの、今年38歳になる若院長だ。
小さな頃から成績優秀を通し、小中高はエスカレーター。大学は某有名医
大に進み、ほぼ主席の成績で卒業したらしい。顔も美人の部類で、身長も
163cm と高く、スリーサイズも85・60・90・と申し分ない。
何か欠点を上げるとしたら、男に全く興味がないことだろう。だから結婚
もする気もまったくない。回りの心配を余所に、本人は全くもって "我が道
を行く" なのだった。

そんな院長は、院長室のある三階の廊下を足早に歩いていた。
肩まで伸びたベージュの髪が揺れ、翻る白衣の裾からは、白い生脚がチラ
チラと見え隠れしている。
廊下の途中にあるエレベーターの前でボタンを押すと、もどかしげにそれ
を待つ。ようやく階数表示が上がってきたエレベーターが三階で開くと、
中には看護師長の『吉川由美』が立っていた。

吉川由美は院長より五つ年上の、今年43歳になる看護師長だ。
身長158cm。丸顔の狸顔のせいか、はたまたボブに切り揃えられた髪型
のせいか、彼女はいつも昔より太ったように見られる。しかしもう何年も
前から、スリーサイズの90・65・90・は変わっていないと訴えている。

そんな彼女はたった今、『中村時江』の病室から戻ったところだった。
「院長先生。いま中村さんにお薬お出しておきました」
院長はエレベーターには乗らず、二人を残して扉が閉まった。
「もう、遅いじゃない。13時の約束でしょう。今迎えに行こうと……」
「すいません。彼女意識が戻ったばかりで、色々説明が……」
「そんなことだと思ったわ」
院長は廊下に誰もいないか、前後に首を巡らす。
「由美、いらっしゃい」
院長は小声でそう言うと由美の手を握り、エレベーターの隣にある備品庫
へと引っ張った。
「あっ、院長……」
院長は片手で備品庫のドアを開けると、由美を中へと引き込んだ。

備品庫の中はそう広くはない。奥行きはあるが、基本的に天井近くまであ
る棚が二列並んでいるだけだ。ドアに鍵はない。頻繁に用事のあるところ
ではないが、いつ誰が来てもおかしくはない。
しかし誰か来ても、棚の陰に隠れてしまえば、もしかしたら気付かれない
かもしれない。そんな広さだ。

院長はドアを閉め、由美の手を引いて奥まで歩くと彼女と向かい合った。
「院長、またこんなところで」
「いいじゃない。午前中の外来が終わった今がチャンスなのよ……」
院長はもう白衣を腰まで捲り、ズボンを降ろし始めている。
「もう、しょうがないですねぇ」
院長はそのままパンティも膝まで下ろすと、由美に背を向けた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土