22「マリィさん、ホテルってここですか?」「そう、ここよ」あたしとマリィさんはタクシーを降りると、通り沿いに見えている『ホテル ハーモニー』と書かれた看板まで歩きました。その頃にはもう雨は止んでいて、傘をさす必要はありませんでした。ホテルの入り口には二つの観葉植物が置かれていて、その間を通るとガラスの自動ドアが開きました。中はちょっと薄暗い感じで、そんな中をマリィさんはフロントまで歩き、505号室の鍵を...