21雨のタクシー乗り場には、黒いタクシーが数台並んでいました。でもそんな中に、一台だけいる黄色いタクシーが目を引きます。雨の割にはタクシー待ちのお客さんは少なくて、順番の妙でしょうか、あたしたちはその黄色いタクシーに乗り込んだのです。二人で後部座先に乗り込むと、マリィさんは隣駅の駅前を告げました。隣駅の裏通りに『ハーモニー』というラブホテルがあって、そこがここから一番近いホテルなのです。「はい。駅前...