28「明日香ぁ、ママお店閉めるってぇ。どうするぅ?」響子が『アマデウス』のドアに「本日休業」の札を下げると、ピンクのロールブラインドを降ろしながら言った。表は夕方とは思えない程の暗さだ。「えっ?」ブラインドを降ろすと、響子が明日香のテーブルに歩いてきた。「ママは明日香にもう少しいて欲しいって」「うん。もう少しいるよ。せっかく途中下車して来たんだし」「うん。わかった。そう言っとくよ」明日香はケーキを...