51最初は少しずつ、そして徐々に熱く2人の舌は絡まり合った。互いに髪を撫で、気持ちを確かめ合うようにキスは続いた。長いキスのあと、千鶴がうつむきながら言った。「なんか、あたし、ごめんなさい」「いいのよ。謝らなくたって」「でも……」「いいの、気にしないで。それよりもうすぐ消灯の時間よ。今はよく眠ること。傷のためにもね」「はい」ようやく笑顔が戻った千鶴をあとに、沙也加は病室を出た。窓の外はもう真っ暗だ。...