32 最終回その日の午後、沙樹は館を後にした。マリアは彼女を駅まで送る事になった。グレーのスーツの上下に合わせた淡い水色のシャツは、タイは締めずに第二ボタンまでが開いてた。その首には細身のネックレスが揺れている。「昨日は楽しかったわマリアちゃん。あなたが予想以上に敏感で」前を見るマリアの横顔が綺麗だった。頬を染めるマリアに沙樹が微笑んだ。「今度、家にも遊びにいらっしゃい。もちろん泊まりがけよ」「...