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あなたの燃える手で

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保健室にいらっしゃい

第3話:生徒会長『市川凜子』

【3-1】
あたしが市川凜子と再会したのは、この保健室からも見える、駐車場になって
いる裏庭だった。
正確には、再会というのは正しい言い方ではない。
何故ならそれは、一方的にあたしが保健室の窓から彼女を見つけたからだ。
しかしそれはある意味衝撃的な再会だった。
彼女が裏庭でしていたコト……、それは喫煙だったからだ。
おそらく彼女は授業中に、何らかの理由を付けて教室を抜け出し、ココに来て
タバコを吸っているものと思われた。
ココまで来たら体育館の裏にでも行けば、とは思うが、おそらく教室を抜け出
す為の彼女の付けた理由が、あまり時間を掛けるワケにはいかないものなのか
も知れない。
いずれにせよ、あたしは生徒会長の喫煙行為を目撃した。
それだけは間違いない。

あたしは保健室の窓を開け、やや小声で彼女の名前を呼んだ。
「市川さん、市川さん……」
彼女はハッとして顔を上げた。そしてそれはそのままあたしと目を合わせるコ
トになった。
「あっ……」
素早くタバコを地面で消した彼女だったが、その姿はスグに諦めに変わった。
「見ちゃったわよ、本当に何やってるの?」
「……すみません」
「アナタ3年生でしょう。それも生徒会長が喫煙だなんて……」
「あのう、このコトは……、やっぱり……」
「とにかくそんなトコロじゃ、話しも出来ないでしょう」
「……」
「こっちにいらっしゃい」
「はい……」
彼女はうなだれたまま返事をすると、それからスグに保健室にやって来た。

「一体どんな理由を付けて、授業を抜け出してきたの?」
あたしは机を背にして、ベッドに腰掛けた市川凜子と対面していた。机には彼
女から没収した、タバコと百円ライターが置いてある。
「あのう、具合が悪いから保健室に行ってきますって……、すみません」
「まぁ、そんなコト……。それで本当はタバコを吸っていたのね?」
「はい」
「ホントにしょうがないわねぇ。コレが先生達に知れたら大変よ。ましてや生
徒会長が喫煙なんて。アナタの今までの信用が一瞬でなくなるわ。大学への進
学だって、影響がないとは言えないじゃない?」
「はい。そうかも……、知れません」
「そうかも知れませんって、いいの? そんなコトで……」
「いえ、決してそんな意味じゃ」
「とにかくコレはあたしが預かっとくわ。いいわね」
「はい」
彼女はうなだれ、少し泣いているようだった。そんな彼女の短いスカートから
は、白い太腿のほとんどが露出している。
それを見た瞬間あたしはドキッとして、体温が上がっていくのを感じた。
シクシクと泣く彼女の隣に座ると、慰めるように太腿の上に片手を置いた。
「いいわ、今回は内緒にして置いてあげる」
「本当ですか?」
「本当よ。もう二度と吸っちゃだめよ、タバコなんて」
「は、はい。ありがとうございます。もう二度と吸いません」
「いい子ね」
そっと撫でた白い太腿は、とってもスベスベで。、あたしの中でムラムラとし
た炎が燻りだした。
しかし彼女は嫌がる素振りも見せず、逆に脚を開き、あたしにもたれ掛かって
きた。今のあたし達を後ろから見たら、それはまるで寄り添う恋人同士のよう
に見えるかも知れない。
「先生……」
あたしの胸に顔を埋めていた彼女が無言で顔を上げた。その目はあたしを見つ
めている。だからあたしも彼女を見つめた。
「市川さん……、あなた……」
「あたし……、栗山先生のコト、前から……」
「えっ?」
「だから保健室に行くって……、だけど行ったら仮病だってバレちゃうし。そ
したら先生に嫌われちゃうかなって……」
「市川さん……、ううん、凜子ちゃん。あたしも好きよ、アナタみたいな子」
「本当? 本当に先生」
「本当よ。嘘でこんなコト言わないわ」

可愛い唇が、心なしか前に突き出されている。
「誰にも内緒よ」
「うん」
あたしはその唇に自分の唇を重ね、そしてゆっくりと離れた。
「さっ、今はもう教室に戻りなさい」
「えっ……」
「今の秘密が守れるなら放課後、保健室にいらっしゃい」
「えっ? いいんですか? 来ても……」
「もちろん。今日の放課後でもいいわよ」
「それじゃ、放課後にまた来ます」
立ち上がった彼女に、あたしはもう一度キスをした。ドアまで一緒に歩いて、
そっと彼女の背中を押した。外に出た彼女はペコリと頭を下げ、早足に廊下を
歩いていった。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土