そっと後から
8
あたしはカフェオレを飲みながら咲樹さんを待った。
咲樹さんは6時にはお店に来てくれた。あたしとの電話を切って、すぐに来て
くれたのが嬉しかった。
「大丈夫? 真由」
咲樹さんはそう言ってあたしの額に手を当てた。
「やだっ! 熱いわよ、一人で帰れる? ううん、だめね。そうだ、今日はあ
たしの所に泊まりなさい。ねっ? 真由。そうしなさい」
「でっ、でも……」
「遠慮なんてしてる場合じゃないでしょ。もっと体を大切にしなきゃ。それに
今アナタに倒れられたら、あのデザインはどうするの?」
「……」
結局あたしは押し切られた形で、咲樹さんの所に泊まることになった。
ミニスカートを履いた脚の綺麗な子がオーダーを取りに来た。
咲樹さんはコーヒーを注文した。
この子何だかあたし達のことを羨ましそうに見ていた。でもきっと気のせい。
咲樹さんの部屋は2LDKでとても綺麗な部屋だった。
居間に使っている部屋には大きな地デジ対応のTVがあって、それをソファに
寝ころんで見られるようになっている。TVとソファの間には黒い小さなロー
テーブルがあって、そこには空っぽの灰皿とリモコンが置いてあった。
「真由、今おかゆ作ってあげる。それ食べたらコレ飲んで」
「はい。ありがとうございます」
咲樹さんはあたしをソファに座らせると、白い錠剤を2錠テーブルに置いた。
突然泊まることになって、もちろん咲樹さんの家に泊まれるなんてすごく嬉し
いけど……、着替えもないし、第一何だか悪くって……。それにベッドだって一つしかない。咲樹さん、もしかしてこのソファで寝るつもりなのかな……?
でも、なんだかホッとして、あたしは溜息をついた。
咲樹は手早くおかゆとスープを作ると真由に食べさせた。
咲樹はおかゆに付き合いながら、真由の食欲にとりあえず安心した。
着替えのない真由に、咲樹は自分のスェットとトレーナーを着せ、
薬を飲ませるとベッドに横たえ、明かりを少し落とした。
『アマデウス』には何度も行ったことがあるから場所は知っていた。
あたしはバスに揺られながら、真由を今夜マンションに泊める事に決めた。
一人暮らしで具合が悪いときは、何かと大変なのはあたしにもよくわかる。
それにあの真由をこのまま放っておけないし、あの子の寝顔も見てみたい。
そんな思いもあった。もしかしたら一緒にベッドで……それもアリかも。
店に入るとすぐに、一番隅の席でカフェオレを飲んでいる真由を見つけた。
「大丈夫? 真由」
あたしはそう言って具合の悪そうな真由の額に手を当てた。
やっぱり熱い! あたしは真由に有無を言わせず、今夜泊まるように言った。
真由は黙って頷いた。
響子と呼ばれている脚の綺麗な子がオーダーを取りに来た。
あたしはコーヒーをオーダーした。何故かこの子があたしを見る視線がいつも
気になる。でもきっと気のせい。
マンションに帰るとあたしは真由をソファに座らせた。そしておかゆとスープ
を作って、二人でそれを食べた。あたしの作った夕食を残さず食べてくれた真
由にひとまず安心した。あたしは真由に自分のスェットとトレーナーを着せ、薬を飲ませた。そして寝室に移りベッドに横たえた。
「今夜はここでゆっくり寝なさい」
「でも、咲樹さんは?」
「あたしはソファでいいわ」
「でもそれじゃ……咲樹さんも……一緒に……」
あたしのベッドはセミダブルだから二人で寝れないコトもない。
「あたしと一緒がイイの?」
真由は上目遣いで、 ”コクリ” と頷いた。
あたしはカフェオレを飲みながら咲樹さんを待った。
咲樹さんは6時にはお店に来てくれた。あたしとの電話を切って、すぐに来て
くれたのが嬉しかった。
「大丈夫? 真由」
咲樹さんはそう言ってあたしの額に手を当てた。
「やだっ! 熱いわよ、一人で帰れる? ううん、だめね。そうだ、今日はあ
たしの所に泊まりなさい。ねっ? 真由。そうしなさい」
「でっ、でも……」
「遠慮なんてしてる場合じゃないでしょ。もっと体を大切にしなきゃ。それに
今アナタに倒れられたら、あのデザインはどうするの?」
「……」
結局あたしは押し切られた形で、咲樹さんの所に泊まることになった。
ミニスカートを履いた脚の綺麗な子がオーダーを取りに来た。
咲樹さんはコーヒーを注文した。
この子何だかあたし達のことを羨ましそうに見ていた。でもきっと気のせい。
咲樹さんの部屋は2LDKでとても綺麗な部屋だった。
居間に使っている部屋には大きな地デジ対応のTVがあって、それをソファに
寝ころんで見られるようになっている。TVとソファの間には黒い小さなロー
テーブルがあって、そこには空っぽの灰皿とリモコンが置いてあった。
「真由、今おかゆ作ってあげる。それ食べたらコレ飲んで」
「はい。ありがとうございます」
咲樹さんはあたしをソファに座らせると、白い錠剤を2錠テーブルに置いた。
突然泊まることになって、もちろん咲樹さんの家に泊まれるなんてすごく嬉し
いけど……、着替えもないし、第一何だか悪くって……。それにベッドだって一つしかない。咲樹さん、もしかしてこのソファで寝るつもりなのかな……?
でも、なんだかホッとして、あたしは溜息をついた。
咲樹は手早くおかゆとスープを作ると真由に食べさせた。
咲樹はおかゆに付き合いながら、真由の食欲にとりあえず安心した。
着替えのない真由に、咲樹は自分のスェットとトレーナーを着せ、
薬を飲ませるとベッドに横たえ、明かりを少し落とした。
『アマデウス』には何度も行ったことがあるから場所は知っていた。
あたしはバスに揺られながら、真由を今夜マンションに泊める事に決めた。
一人暮らしで具合が悪いときは、何かと大変なのはあたしにもよくわかる。
それにあの真由をこのまま放っておけないし、あの子の寝顔も見てみたい。
そんな思いもあった。もしかしたら一緒にベッドで……それもアリかも。
店に入るとすぐに、一番隅の席でカフェオレを飲んでいる真由を見つけた。
「大丈夫? 真由」
あたしはそう言って具合の悪そうな真由の額に手を当てた。
やっぱり熱い! あたしは真由に有無を言わせず、今夜泊まるように言った。
真由は黙って頷いた。
響子と呼ばれている脚の綺麗な子がオーダーを取りに来た。
あたしはコーヒーをオーダーした。何故かこの子があたしを見る視線がいつも
気になる。でもきっと気のせい。
マンションに帰るとあたしは真由をソファに座らせた。そしておかゆとスープ
を作って、二人でそれを食べた。あたしの作った夕食を残さず食べてくれた真
由にひとまず安心した。あたしは真由に自分のスェットとトレーナーを着せ、薬を飲ませた。そして寝室に移りベッドに横たえた。
「今夜はここでゆっくり寝なさい」
「でも、咲樹さんは?」
「あたしはソファでいいわ」
「でもそれじゃ……咲樹さんも……一緒に……」
あたしのベッドはセミダブルだから二人で寝れないコトもない。
「あたしと一緒がイイの?」
真由は上目遣いで、 ”コクリ” と頷いた。