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あなたの燃える手で

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バビロンリング

11 ー最終話ー
霧が薄まっていく。少しづつ、少しづつ。
宙を舞う羽のような感覚だった永遠に、上下の感覚が戻りってきた。
霧が晴れると、永遠はあの占い師の前に座っていた。時間は10分も経ってい
ないようだ。
「今のはいったい? 夢?」
「大丈夫?」
占い師は優しく永遠に声をかけた。
「あたし指輪を嵌めたら、急に……。それであなたが、占い師さんが……、あ
たしに、あのぅ、そのぅ……」
「そう、あたしが……。それでどうだった? 夢は叶った?」
「えっ?」
「言ったはずよ。"夢は言葉にせずとも、心に生まれ出ずるもの" だって」
「それじゃ今見た夢、のようなものが、あれがあたしの夢?」
「指輪はそう感じてそれをあなたに見せた。自分でも何か心当たりは……?」

そう言われれば確かに。レイプ願望あったかもしれない。でも、相手は女、
女……? あぁ、そうだ。あたしは女の人に、あんな風に犯されて見たかった
のだ。自分の密かな願望を指輪は……。ってことは、これって本物? もしそ
うなら凄いけど、同時にちょっと怖い。
「やっぱりこの指輪、お返しします」
「あらそう? いいの?」
「はい、あたしにはちょっと荷が重いみたいです」 
「わかったわ」
永遠は占い師に指輪を返すと教会を後にした。


永遠は翌日の昼間。占い師のところへ行ってみた。するとそこは教会の隣にあ
る外人墓地の一番奥で、占いをした場所には他より一際大きな十字架の墓石が
あった。しかもその墓石にはドロシアと書かれている。
ドロシア・・・、あの古城の魔女だ。
永遠が墓石の前に立ち尽くしていると、ふいに後ろから声を掛けられた。
「どうしました?」
「えっ? あっ、すみません」
「いいですよ。それより、何かありました?」 
「えぇ、まぁ、実は昨夜……」
永遠は昨夜の不思議な出来事をシスターに話した。
「そう、バビロンリングが……」
「知ってるんですか? バビロンリングを」
「えぇ、知ってるわよ」
そしてシスターの少し長い話が始まった。その話を要約するとこうだ。

今から三千年以上前。古代バビロニアで火あぶりの刑で処刑された魔女がい
た。その魔女の名前はドロシア。その焼け跡から、魔女がしていた指輪が見つ
かった。その指輪は当初、魔力を持つと忌み嫌われたが、時の聖職者がこれを
清め、魔力は人を幸せにする力となった。
指輪はいつしかクリスマスの夜に一つだけ願いを叶える指輪となり、その歴史
からパビロンリングと呼ばれるようになった。
しかしドロシアの呪いは解けず、同性愛者だった彼女は気に入った女を見つけ
ると、その年のクリスマスに悪戯をする。というものだった。

「そんな話が……。それじゃあたしはドロシアに気に入られて……」
「そのようね。でももう大丈夫よ。指輪を返せば彼女は何も出来ないわ」
「そうなんだ。よかったです。指輪を返して……」
「そうね」
「ありがとうございました」
永遠はシスターに頭をペコリと下げると、背を向けて歩き出した。
それはいつもより少し早足だった。



EPILOGUE
墓地の間の細い道を歩き、帰っていく永遠をシスターは見ていた。

「お前は帰ってくるよ、永遠。何しろ魔界の快感を知ってしまったのだから。
あの快感を知ってしまったら、もう戻れないのさ。待ってるよ永遠。お前が帰
ってくるのを。千年でも二千年でも。あたしはお前を待ってる……」

その時一陣の木枯らしが、急ぐ永遠の足を鈍らせた。
永遠は振り返ると、シスターが見送っているのに気がつきまた頭を下げた。
シスターはそれに応えるように微笑んだ。
しかしそのシスターの口が、パックリと三日月のように割れているのに、永遠
は気がつかなかった。


ーENDー


Comments 1

醜女  

レズレイプ最高ですね!

醜い女に美人が無理やり犯されるのとか見たいです!

2017/12/27 (Wed) 05:56 | EDIT | REPLY |   

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土