3ヒメユリ……。なんて可愛い名前なんでしょう。年齢不詳。大きな黒い皮のバッグを持った彼女を、あたしはマジマジと見つめました。すると恥ずかしいのか、彼女は俯いてしまったのです。「ヒメユリちゃん、あなた幾つなの?」「はい、二十二になります」その声は俗に言う、アニメ声のようでした。「あたしより一回り若いのね」「経験の浅い立花様には年下が宜しいかと、この子を選びました」「そうなんですね……」「この子はとにかく...