2二人の出会った小さな橋から、水蜜楼の女将と名乗った彼女に付いて歩くこと10分。奈津は水蜜楼へと案内された。「こちらが水蜜楼でございます」「あっ、ここが……」それは空から見れば、森の中にポッカリと空いた穴のように見えるかもしれない。いや、穴というよりは、森を頭と例えれば、それは "十円ハゲ" といえばわかりやすいだろうか。そんなポッカリと空いたスペースをうまく利用し、水蜜楼は建てられていた。それは正面から...