10湿った風の吹く夜。あたしは一人、千夜の帰りを待っていた。いつもなら、近所のスーパーでバイトをしている千夜の方が早いのに。こんなこと、今まで滅多になかった。そりゃ千夜だって子供じゃないし、色々あるかもしれないけど。でも、なんか胸がザワついて……、これを胸騒ぎっていうんだろうな。あたしは気を取り直して、服を脱いで浴室へと向かった。浴室に入ると、取り敢えずいった感じでシャワーコックを捻ると、白い湯気を上...