EPISODE 3 ー響子ー141月より少し日が延びた気がする。しかし2月の冷たい風は、春はまだまだだ先だと教えてくれる。その日マリアは、麗子から頼まれた用事をこなすため、朝から『夢の森駅』の快速電車を待つ列に並んでいた。そんなマリアの後ろに一人の女性が並んだ。「マ~リア」驚いて振り向いたマリアの後ろにいたのは、親友の響子だった。「響子ぉ~?」「何やってるの? マリア。こんな時間から、珍しいじゃん」「う...