甘く危険な調べPROLOGUE 『クラッシック名曲喫茶 ハイカラ楽団』。そのちょっと変わった看板が目に留まったのは、映画を見た帰り道だった。この街には滅多にこないが、今回は遅い夏休みを取ったこともあり、ちょっと足を伸ばしてみたのだった。さて、その『ハイカラ楽団』なるカフェは、かなり年月を経たレンガタイルのビルの地下にあり、その地下への階段もどこか薄汚れた、よく言えば風情がある階段だった。私は興味本位と僅か...