35どれだけ時間が経ったのか、あとどれだけ時間があるのか、もうとっくに時間の感覚など無くなってしまった月子には、まったく分からなかった。しかしそんな月子が、今度はその時間に苦しめられることになろうとは、この時は思いもしなかった。そしてそれは予告もなく突然訪れた。「あのう……、あたし、トイレに……」「あらっ、そういえば忘れてましたわ」「えっ……?」「ここに来た時、お茶を飲みましたでしょう? あれに実は薬が。...