15院長先生と御堂さんがソファから立ち上がった。あたしも少し遅れて立ち上がり、2人に対面した。「それでは今から、治療の方を始めますね」「は、はい……。よろしくお願いします」それが幕の上がった瞬間だった。ついにあたしの妄想が、現実となる時がきたのだ。秋恵はペコリと頭を下げた。「さぁ、秋恵さん。あなたは今から文字通りの患者よ。患者にとって医者の言うことは絶対です。いいわね」「はい、婦長さん」「あなたは治...