14「秋恵さんの妄想って、こんな感じかしら……」さっきから黙って2人を見ていた真弓が聞いた。勿論秋恵の両手首を握った力を緩めない。「えっ、えぇ……」「でもカウンセリングでは、もっと過激なことも仰ってましたよねぇ」御堂が重ねて聞く。「そ、それは……」「イイんですよ。1度妄想が実現すれば、もしかしたら治る可能性もあるんですから」「で、でも……」本心ではそれを欲しながら、秋恵は体裁を繕うように迷ったフリをした。...