【4】「失礼します」真弓は個室のドアを開けると中に入った。明るい8畳程の部屋の窓寄りに置かれたベッド。そこに半身を起こして横たわる、相田美佐子の姿があった。「始めまして、院長の如月真弓といいます」「相田美佐子です。よろしくお願いします」美佐子はそう言って丁寧に頭を下げた。肩に載っていたダークブラウンの髪が、薄桃色のネグリジェの胸にハラリと落ちた。「今回は検査入院と言うことで……」「はい」「何か気にな...