33夢の森グランドハイツの910号室。そのドアの前に1人の人影が立ち、その影がインターフォンを押した。「はい……」スピーカーを通し、室内から聞こえたのは低めの女性の声だった。「あっ、若村です」「あぁ、これはこれはエリさん。今鍵を開けます」エマはエリを室内に招き入れると、応接室に通した。「どうぞ、お掛け下さい」革のソファに片手を伸ばし、エリを促した。「何かお飲み物は……。麦茶でも入れましょうか、今日は少し...