16「ねぇ、マリアと話せる?」「勿論、よろしくてよ」さゆりはまな板の上の鯉となったマリアに、携帯を近づけた。「もしもし、マリア」「あっ、麗子様ぁ~……」「どうしたの? そんな声出して」「あたし、あたし……」麗子はマリアの声の響きから、今の彼女の状況を察するコトが出来た。「時間は気にしなくていいから、ゆっくりしてきなさい。いいわね」「は、はい」「それじゃ、ちゃんと言うこと聞いて、いい子にしてるのよ。マリ...