43振り向こうとしない千鶴に沙也加はもう1度声を掛けた。「森尾さん。そろそろ痛み止めが切れますから、お薬持ってきましたよ」「そこに置いといて下さい。あとで飲みますから」携帯から目を離さず、千鶴が答える。「そんなこと言って、痛くなっても知りませんよ。それから病院内では携帯はダメですからね」「えぇ~、マジで。いいじゃないですか。あたししかいないんだから。ねっ」「もう、取り上げはしないけど。なるべく止め...