6大きなエンジン音を響かせて、ターミナルにバスが2台続けて入ってきた。バスはゆかりの目の前を通り過ぎ、大きく弧を描いてターミナルの中央に止まった。その動きを追っていたゆかりの目に、1軒の喫茶店が目に入った。その喫茶店はターミナル続きの幹線道路の信号を渡ったところにあり、ガラス張りの壁からは白と黒に統一された店内が見て取れた。何となく雰囲気のいいその店に惹かれ、ゆかりは横断歩道を渡った。『アマデウ...