9この館の食堂からは庭の芝がよく見えた。芝の向こうには大きな木が茂り、まるで高原の朝のような気分に浸れる。朝の食卓はバタートーストの香りで満ちていた。トーストの横には苺ジャムとマーマレードが入った小鉢が置かれ、スープマグにはパンプキンスープ。そして白い陶器の丸皿にはスクランブルエッグと柔らかなアスパラガスが添えられていた。麗子が食卓に着いた時、マリアがプチトマトの載ったサラダとドレッシングを運び...