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あなたの燃える手で

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マリアの休日

☃3
寒い外からママの部屋に入ると、マリアは大きくため息をついた。
「はぁ~、寒かったぁ」
「何だか朝より寒くなったみたいねぇ」
「うん、ホントに雪が降りそう。箱根はもう降ってるかもよマリア」
「えぇ~……。麗子様、大丈夫かなぁ~」

3人は玄関から食堂に通された。
「さっ、座って座って。今おせち持ってくるから……」
「はぁ~い」
マリアは響子と並んでテーブルに座った。
するとすぐに、ママが三段重ねのお重に入ったおせちを持って来た。
それを2人の前に一つずつ並べていく。
まず一番上のお重には、海老の煮しめに田作り、紅白のかまぼこに伊達巻が、
四つに区切られたお重に納められている。
その下から現れた二の重には、昆布巻き、栗きんとん、鯛や海老、鰻の焼き物
に数の子が、それぞれのスペースに上手く収まっている。
三の重には黒豆、くわい、蓮根、牛蒡、里芋、八ツ頭の煮染めなどが溢れんば
かりに入っていた。
「はい、ど~ぞ……」
「わぁ、美味しそう。ママさん凄ぉーい。こんなに作ったんですかぁ。一人暮
らしなのにぃ」
「一人は余分よ、マリアちゃん」
「毎年こんなもんだよね、ママのおせちは」
「こんなもんて……、響子ってば」
「はいはい、どうせこんなもんでぇ~す。もうマリアちゃんと2人で食べるか
らいいわ。ねぇ、マリアちゃぁ~ん」
「あぁー、嘘嘘、ママごめんなさぁ~い」
「それじゃ罰として、響子ちゃんはお燗係よ」
「えっえぇぇ~、それだけは勘弁してくだせぇ~」

3つの徳利に熱燗が満たされ、3つのおちょこに日本酒がつがれた。
そして3人が、それぞれ手にしたおちょこを持ち上げた。
「新年あけましておめでとうございまぁ~す!」
声を揃えて言うと、手にしたものを一口飲んだ。
「それじゃ、いただきまぁ~す」
マリアはもう取り皿と箸を手にしている。
「さすがマリア、こう言うときはたぐいまれなるスピードを発揮するね」
「エッヘン!」
「エッヘン!って、そこは威張るトコロじゃないから……」

それから会話は弾み、あっという間に3時間が経った。
「はぁ~何だか酔ってきたわぁ。みんな遠慮しないで食べてね」
ママは取り皿に箸を置くと、椅子に寄り掛かった。
「ママ、あたしもお腹いっぱい……」
「あたしもなんか酔っちゃいましたぁ~」
「向こうでソファに座ろうか」
ママは立ち上がると、ソファのある居間に移動した。
「あっ、ママあたしも……」
「えっ、みんな行っちゃうの? じゃ、あたしもそっちいく」
体温が上がったのか、3人は居間でセーターを脱いでシャツだけになった。
ママと響子は、マリアを挟んでソファに座った。
「なんかソファが冷たくて気持ちいいぃ~」
「ホントだぁ~」
マリアはソファにググッと沈み込んだ。
そのマリアに横からママがもたれ掛かった。
「うふっ、可愛いっ、マリアちゃん」
そう言ってママがマリアの髪を手で流すと、そこに現れた耳にキスをした。
「あぁん、ママさん。ダメですよぉ~」
「あらっ、いいじゃないコレくらい。あたしとマリアちゃんの仲でしょう」
「でもぉ~……」
響子はそんな二人を、面白そうに横で見ている。

その時、マリアの携帯がメールの着信を告げた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土