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あなたの燃える手で

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白い魔女 2


あの日の記憶が走馬燈のように、美咲の中で現れては消えた。
自分の譜面で弾いていたら……。自分の曲で落ちたのなら納得も出来る。
この人が、この人が勝手にあたしの曲を別の曲にしてしまった。
その想いは今も美咲の中にある。
そしてそれは、醜く歪みながら美咲の心の中に広がった。

その冬香先生が目の前で……、しかもこんな格好で診察されている。
彼女の全身は朱に染まり、その呼吸は苦しそうに乱れている。
もっともっと虐めてやればいい。いや、出来ることならいっそ自分の手で、夢を奪ったこの女を虐めてやりたい。体中から火が出るような辱めを与えて。
美咲の燻り続けていた熾火が今、大きな炎となって燃え上がり始めたのだ。

「コレを培養に届けたら何かお手伝いするコトはありますか?」
「そうねぇ、居てくれると色々助かるかも。それじゃとりあえず、それを届けたらもう1度ここに来てくれるかしら。ねぇ、婦長」
「そうですね。あたしもその方がイイと思います。予定していた内科の方にはわたしから連絡を入れておきますから」
「はい、わかりました」
院長と婦長にそう言われ、美咲は気持ち良く返事をした。

10分後、美咲は院長室に戻ってくるとローテーブルの傍らに立ち、あられもない姿の冬香を見下ろした。
それが昔の教え子だったことを、冬香はまだ気づいていない。

「白井さんもう少し頑張って下さいねぇ」
「あぁ~婦長さん、まだ、まだですか? あたし……、あたしもう……」
「まだですよぉ、白井さん。ほらっ、こうやって何度も擦ってしっかり採取しないと……ほぉ~らっ、我慢して下さぁ~い」
「はぁ、はぁ、はぁ~、んん~もう、もう、あぁ~ん」
冬香の両手が無意識に股間をかばうように動いた。
「秋山さん、チョット両手を押さえてあげて」
「はい。婦長……」
美咲はローテーブルの橋に移動し、冬香の両手首を掴むと彼女の頭の上で押さえた。そして真上から彼女の顔を覗き込んだ。
その時、初めて美咲と冬香の目があった。
「冬香先生……」
「……?」
優しく微笑む美咲の顔を見た冬香の目が丸くなった。
「美咲ちゃん……? あなた美咲ちゃんなの? あぁっ、あはぁ~」
「はい、秋山美咲です。先生のピアノ教室に通っていた」
「あなた、どうして……あっ、あぁぁ~だっ、だめっ、あぁ~ん」
「今日、ココに赴任してきたんです。あたしもビックリです。まさか冬香先生に会えるなんて。ほらっ、暴れちゃダメですよ、診察してるんですから」
手首を握った美咲の両手に力が入る。
「あぁ~、あぁ、あぁ、でも、美咲ちゃんにこんな姿を……恥ずかしいわ」
「うふっ、しょうがないですよ先生。これも巡り合わせです」
「さぁ、終わりましたよ、白井さん」
「あぁ、良かった……、やっと……終わったのね。凄く恥ずかしかったわ」
冬香は脚を伸ばした。荒い呼吸を繰り返すお腹はまだ大きく上下している。
「まだ終わりじゃないですよ、白井さん。次は院長の触診です」
「えっ……」
「院長が触診してくれるんですって、良かったですね。冬香先生」

そう言って冬香を見下ろす美咲の瞳には、青白い炎が灯っていた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土