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あなたの燃える手で

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白い魔女 2


「ほらっ、冬香。ちゃんと足を拡げてないと、婦長が採取出来ないでしょ」
「で、でもぉ」
「もう、言うこと聞いて大人しくして……、ねっ」

真弓は手を離すと、冬香の耳元に口を寄せて囁いた。
「大人しくしないと、昔みたいに縛るわよ。いいの?」
その声は御堂にも聞こえそうな声だ。
冬香は黙って首を振った。その顔は今にも泣き出しそうだ。
「本当はそうやって……、虐めて欲しいんじゃないのかしらぁ?」
「そんな、あたしは……」
「その時は言って。じっくりと虐めてあげる。大丈夫、秘密は守るわ」

それだけ言うと再び両脚をしっかりと押さえた。
それを見た御堂が肉芽の皮を剥き上げ、ソコを綿棒で繰り返し擦った。
綿棒を少し動かすだけで、冬香の体には絶大の効果があった。
「はぁっ、んん、んん、んぁぁ。も、もう、あぁ~、あぁん」
「あらあら、またそんな声出してぇ。ちゃんと掴まってないと危ないわよ」
その時ドアをノックする音が、真弓と御堂には聞こえた。

「どうぞっ、入って」
「失礼します」
ドアから姿を見せたのは美咲だった。彼女は目の前の光景に一瞬立ち尽くしたが、我を取り戻したように真弓の元へ歩み寄った。
「あのう、院長……」
「秋山さんね、ソコにある綿棒を培養に届けて欲しいの?」
「あっ、はい……。あれっ?」
「どうしたの?」
「あのう、もしかして……。冬香先生?」
目の前であられもない姿を晒している女性。彼女を見て美咲は呟いた。
しかしその声は、今の冬香の耳には届かない。
「やっぱり、冬香先生……」

外来受付で見かけたときはサングラスをしていて確信が持てなかった。でも、もう間違いようがない。まさか10年ぶりの再会がこんな形で訪れようとは。
美咲の脳裏に、あの日の出来事がまざまざと蘇った。

10年前、美咲は中学3年生だった。
幼い日から続けていたピアノ。その集大成ともいえる全国規模のコンクールの出場資格を得て、美咲の練習にも熱が入っていた。
出場曲は「ジュリエットのための葬送曲」。これは美咲のオリジナル曲だった。このコンクールは全てオリジナル曲を披露するモノで、ピアノの実力は勿論、作曲力も評価の重要なポイントだった。
そしてコンクール当日。美咲は冬香から譜面を受け取った。それは美咲が書いた譜面に手直しを加えたものだった。
「先生、これは……」
「少し書き換えたけど、こっちの方がいいわ」
「でも……」
「大丈夫、アナタならちゃんと弾けるから。自信を持って……、ねっ」
長年お世話になってきた冬香先生。今日、自分がこのコンクールに出場できるのも冬香先生のお陰だ。そう思って美咲は内心渋々それを承諾し、手直しされた曲を本番で弾いたのだった。

そして美咲は落選した。

美咲はステージでその曲を弾きながら、「これはもう、あたしの曲じゃない」そう思いながらで弾いていた。
手直しされたことで、曲全体の感じが変わってしまったのだ。

そして美咲は、父親の転勤に伴ってこの街から引っ越した。
それはまるでピアノから逃げるように、美咲には感じられた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土