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あなたの燃える手で

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桃色ティータイム


麗子の屋敷に着いた4人はリビングに通された。
テーブルには夏らしいブルーのクロスが掛けられ、その中央には可愛いピンク
の小さなバラが生けられている。
4人は麗子に促され、白いハンカチサイズのナプキンの敷かれた席に座った。
麗子の隣にはさゆりが、良子の隣には由香が座った。
ナプキンの上には広口で浅めの白い陶磁器のティーカップが置かれ、麗子の座
る席には紅茶を入れるためのセットが用意されていた。
麗子はアルコールコンロに火を点けると、銅製のケトルを乗せた。
ケトルの底を、淡く青い炎がユラユラと舐めている。

「マリアちゃんが用意してくれたのね、コレ」
良子がテーブルを見回すようにして言った。
「そうみたい。あたしがやるからいいって言ったのに……」
「ブルーのクロスに、ピンクのバラがとっても可愛いですわ」
「ホントに……、今度紹介して下さいね、マリアちゃん」

いつの間にか部屋にはモーツァルトが流れていた。
ケトルからはコトコトと湯を沸かす音が聞こえ始めている。
麗子はキッチンでパウンドケーキを切り分け、白いケーキ皿に乗せた。
それをリビングに運び、4枚のナプキンの上に乗せていった。
しっとりとした褐色に近い生地の中には、ラム酒に漬けたレーズン、いちじ
く、クルミがタップリと詰まり、上にはピスタチオが散りばめられていた。
皿の脇には銀製のフォークが添えられている。
麗子は紅茶を淹れると、ガラス製の皿に乗ったレモンスライスと共に1人1人
の前に配った。
「このケーキもマリアちゃんが……?」
「そうなの。あの子お菓子作り好きだから。ティーパーティーをするって言っ
たら喜んで作ってたわ」

麗子が席に着くと、4人はとりとめもない話から更に打ち解けていった。
麗子は去年の夏休みにマリアが海に行った時のことを、良子がそれにクリスマ
スでの話を付け加え、ゆかりはエステでの出来事などを話した。

「うふふっ、可愛いんですね、マリアちゃんって」
「とっても可愛いわよ、ねぇ、麗子」
「一体どんな御関係なのか、興味津々ですわ」
良子の視線を感じた麗子は黙って微笑んだ。
「ゆかりさんと由香はまだ会ったことないものね。滅多に留守にすることはな
いけど、今日は本当に残念だわ。あの子はまたの機会にするとして、今日は由
香さんを……、ねっ」
「えっ……?」
それは由香を除く3人に、暗黙の了解が生まれた瞬間だった。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土