BEACH GIRLS
6
アマデウス AM 10:10
「やっぱりちょっと遅刻かなぁ?」
『夢の森商店街』を早足で歩きながら、マリアは1人つぶやいた。
薄い水色のワンピースの裾がヒラヒラと波打ち、そこから色白の太腿がチラチラと覗いている。
ドアに『CLOSED』の札が掛かったアマデウスのドアを、息を切らせたマリアが開けたのは約束の時間を10分過ぎた時だった。
「あっ、おはよう響子……」
「10分遅刻ぅ~」
「ごめんごめん、これでも急いで歩いてきたんだけど……あっ……」
マリアは響子の向かいに座っている明日香と目が合った。
「あっ、どうも……はじめましてマリアです。あのあたし……」
「星野明日香です。マリアさんの事は響子からよく聞いてますよ」
「そうなんだ、何処までしゃべったのかな? ……ねぇ、響子?」
マリアは床にバッグを置くと、響子の隣の椅子に腰を下ろした。
「どこまでって? マリアがおっちょこちょいなとこ?」
「だからぁ、要するにあたしはアレで、そんでもって色々こう……響子もアレなわけだから……、ねっ? わかるでしょ?」
「全然……わかるのは今日これからでしょ? ねぇ明日香?」
「うんうん、想像してた通りって感じです。楽しみにしてます。マリアさん」
「こちらこそ……、よろしくね。明日香ちゃん」
明日香の熱く絡みつくような視線をマリアは感じた。
(やっぱり……。この子もアレだわ。何だか楽しみになってきちゃった)
その時ママが、マリアのアイスコーヒーもって現れた。
「いらっしゃい。マリアちゃん。はい、どうぞ。サービスよ」
「そんなっ、いいんですかぁ? ママ」
「いいのよいいのよ、気にしないで……。海に行くんですって? いいわねぇ、あたしの分も楽しんできてね、マリアちゃん」
「ママはさっき楽しんだでしょ? 3人で……」
ママの頬がわずかに赤らんだ。
(えっ? 3人で? 響子まさか……)
「マリア、早くそれ飲んじゃって。そろそろ行くわよ」
響子が立ち上がった。
「えっ、もう?」
「もう?って、マリアが遅刻したんでしょ。ほらっ、早くぅ!」
マリアはアイスコーヒーを一気に飲み干した。
3人は響子の車で海へと出発した。
途中大きな渋滞もなく、車は順調に南下しながら目的地へと近付いていった。
都会を抜けると車窓には徐々に緑が増え、やがて深緑に沸く木立の中へと車は潜っていった。木漏れ日のフラッシュを浴び、車は途中で細い脇道へと入った。やがて木立を抜けると目の前に海が広がった。
秘密の砂浜 PM 12:00
車はギリギリまで砂浜に近付いてとまった。
「到着~っ! ねっ! 誰もいないでしょう」
緑の木漏れ日は夏空に変わり、長く青い水平線がフロントガラスから飛び出している。響子と明日香がドアを開けると、熱気を含んだ潮風が飛び込んできた。
マリアを残し、2人が先に砂浜に立った。
「暑~いっ! 早くおいでよマリア。すごくキレイな海だよ」
最後に車を降りたマリアが2人に追いついた。
「本当だ……、こんな所があるんだねぇ」
「あたし達3人だけの、秘密のビーチよ」
「うんうん。貸し切りのプライベートビーチって感じだね」
3人は荷物を持つと、海に向かって白い砂浜を歩き出した。
アマデウス AM 10:10
「やっぱりちょっと遅刻かなぁ?」
『夢の森商店街』を早足で歩きながら、マリアは1人つぶやいた。
薄い水色のワンピースの裾がヒラヒラと波打ち、そこから色白の太腿がチラチラと覗いている。
ドアに『CLOSED』の札が掛かったアマデウスのドアを、息を切らせたマリアが開けたのは約束の時間を10分過ぎた時だった。
「あっ、おはよう響子……」
「10分遅刻ぅ~」
「ごめんごめん、これでも急いで歩いてきたんだけど……あっ……」
マリアは響子の向かいに座っている明日香と目が合った。
「あっ、どうも……はじめましてマリアです。あのあたし……」
「星野明日香です。マリアさんの事は響子からよく聞いてますよ」
「そうなんだ、何処までしゃべったのかな? ……ねぇ、響子?」
マリアは床にバッグを置くと、響子の隣の椅子に腰を下ろした。
「どこまでって? マリアがおっちょこちょいなとこ?」
「だからぁ、要するにあたしはアレで、そんでもって色々こう……響子もアレなわけだから……、ねっ? わかるでしょ?」
「全然……わかるのは今日これからでしょ? ねぇ明日香?」
「うんうん、想像してた通りって感じです。楽しみにしてます。マリアさん」
「こちらこそ……、よろしくね。明日香ちゃん」
明日香の熱く絡みつくような視線をマリアは感じた。
(やっぱり……。この子もアレだわ。何だか楽しみになってきちゃった)
その時ママが、マリアのアイスコーヒーもって現れた。
「いらっしゃい。マリアちゃん。はい、どうぞ。サービスよ」
「そんなっ、いいんですかぁ? ママ」
「いいのよいいのよ、気にしないで……。海に行くんですって? いいわねぇ、あたしの分も楽しんできてね、マリアちゃん」
「ママはさっき楽しんだでしょ? 3人で……」
ママの頬がわずかに赤らんだ。
(えっ? 3人で? 響子まさか……)
「マリア、早くそれ飲んじゃって。そろそろ行くわよ」
響子が立ち上がった。
「えっ、もう?」
「もう?って、マリアが遅刻したんでしょ。ほらっ、早くぅ!」
マリアはアイスコーヒーを一気に飲み干した。
3人は響子の車で海へと出発した。
途中大きな渋滞もなく、車は順調に南下しながら目的地へと近付いていった。
都会を抜けると車窓には徐々に緑が増え、やがて深緑に沸く木立の中へと車は潜っていった。木漏れ日のフラッシュを浴び、車は途中で細い脇道へと入った。やがて木立を抜けると目の前に海が広がった。
秘密の砂浜 PM 12:00
車はギリギリまで砂浜に近付いてとまった。
「到着~っ! ねっ! 誰もいないでしょう」
緑の木漏れ日は夏空に変わり、長く青い水平線がフロントガラスから飛び出している。響子と明日香がドアを開けると、熱気を含んだ潮風が飛び込んできた。
マリアを残し、2人が先に砂浜に立った。
「暑~いっ! 早くおいでよマリア。すごくキレイな海だよ」
最後に車を降りたマリアが2人に追いついた。
「本当だ……、こんな所があるんだねぇ」
「あたし達3人だけの、秘密のビーチよ」
「うんうん。貸し切りのプライベートビーチって感じだね」
3人は荷物を持つと、海に向かって白い砂浜を歩き出した。