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あなたの燃える手で

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マリアと響子

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響子と良子の "女同士の密会" から半月後、良子の部屋のチャイムを押した
のはマリアだった。

きっかけ……、それはマリアが『カフェ アマデウス』に寄った日と、響子
の休みが重なり、響子に会えない日のことだった。
「ごめんなさいねぇ、響子ちゃん今日はお休みなの……」
「そうですかぁ」
「よかったらここに座らない? マリアちゃん」
ママは手を伸ばし、厨房に一番近いカウンター席をトントンと叩いた。
「あぁ、はい……」
いつもはお気に入りのマリアを、響子に取られっぱなしの良子だが、この日
だけは別だった。ランチタイムも終わり、客が途切れ始めたのをいいこと
に、ママは饒舌になった。
この間お邪魔したお礼に始まり、響子のバイト初日の失敗談や、たまに自分
の部屋に読んで食事をしたりしていることなどを話した。
「へぇ~、そうなんですかぁ~。全然知らなかった」
「今度マリアちゃんも来ない?」
「えっ、でもぉ」
「なぁに?」
「ママさんと響子って、あのぅ、そのぅ……」
「あぁ、響子ちゃんが言ってたのね。いいのよ、そんなこと気にしないで」
「でも響子の気持ちだってあるしぃ」
「あのね、あたしと響子ちゃんは確かにそういう仲なんだけど、別に恋人同
士ってワケじゃないの」
「そうなんですかぁ~?」
「そうよぉ。だからあたしとマリアちゃんがどうかなったって、別に問題は
ないの。それは響子ちゃんも納得してる」
「へぇ~、そうなんだぁ~」
「ねぇ、どう? マリアちゃん。今夜あたり……」
「こ、今夜……、ですかぁ」
「麗子にはあたしからも言っとくから……、ねっ」
そして麗子から許可を得たマリアは、良子の部屋を訪ねたのだった。

「いらっしゃい、マリアちゃん」
「今晩は。いいんですかぁ? ホントにぃ、こんな突然」
「もちろんよぉ。マリアちゃんだったらいつでも大歓迎よ」
マリアはリビングに通され、ソファに座った。
「今冷たいもの持ってくるわね……。アイスコーヒーでいいかしら」
「あぁ、はい……」
良子はアイスコーヒーの入ったグラスを二つ、目の前のローテーブルに置く
と、マリアの隣に座った。
「マリアちゃん、可愛いぃわねぇ~。ホントに可愛いわぁ」
「そ、そんな……」
「あたしね、マリアちゃんみたいに可愛い子、大好きなの」
「だって、ママさんには響子が……」
「だ・か・ら・それはいいの。響子ちゃんも了承済みなんだから。それよ
りあたしね、可愛い子見ると虐めたくなっちゃうのよねぇ~」

良子はMだ。しかしマリアのような好みの女性を目にした時、彼女はSに変
わる。それもMの気持ちが心底わかるSに……。
だから今、良子にはマリアの気持ちが手に取るようにわかった。
「こっちにいらっしゃい、マリアちゃん」

良子はマリアの手首を "ギュッ" と握ると、彼女を寝室へと連れて行った。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土