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あなたの燃える手で

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真夜中のティンカーベル


あたしには双子の妹がいる……。名前は美琴。
あたしと美琴は一卵性。だから美琴はあたしと同じ顔をしている。
同じなのは顔だけじゃない。性格や考えることも似ている。スリーサイズな
んて測ったみたいにピッタリ同じだ。
学校は違うけど、二人とも女子高に通っている。

あたしの体を触る母。あたしも今年は大学生。体はもうすっかり大人だ。
そんなにあたしが欲しいなら……。なんて考えることもある。
だって父は海外出張でいつもいない。だから母とはいつも二人きり……。
そんなことを考えながらベッドに入る。
時計の針はもうすぐ日付を回る。


ティンカーベルは、いつもどこから入ってくるんだろう。窓には鍵が掛かっ
ているはずなのに。
でも彼女は妖精だから、そんなことは関係ないかもしれない。
あたしの予想では、まず部屋の一点に蛍のような光が灯る。その光はどんど
ん膨らんでいって、ソフトボールくらいになる。そしてその光の中から、羽
の生えたティンカーベルが "ポン" と生まれてくる。
生まれたティンカーベルは再び光に包まれ、羽が消え、手足が伸び、光は
人間を形作っていく。やがて光が消えると、そこに一人の女が現れるのだ。
その人はきっとスラリとした、優しい美人のような気がする。
だって見たコトがないから……。
名前は仮に『ティンク』としておこう。
ティンクはいつもあたしに快感をもたらしてくれる。

さぁ、ティンク。今夜もお願い。あたしを気持ちよくして……。
あたしを逝かせて……。何度でもいいの。あなたのやり方で。あなたの好き
なようにあたしで遊んで。
あぁ、いつからこんなことを想うようになったのだろう。
一体いつから……。

今夜あたしは、うつ伏せにされた。
両手は枕の横、脚は両方ともピンと伸ばして閉じている。
ティンクはそんなあたしに馬乗りになった。でも不思議に体重は感じない。
やっぱり妖精だから……?
そしてあたしは動けない。まるで糊でに貼り付けられたように、体はもちろ
ん、手も足も、ベッドから浮かすことができないのた。
なにこれ、どうして、まるで魔法でもかけられたみたいに……。
「あぁ~ん、どうして? どうして動けないのティンク」
でもティンクは答えない。と言うより、あたしはティンクの声を聞いたこと
がないのだ。
そうだ、顔も声も知らないのだ……。人間と妖精の関係なんて、そんなもの
なのかもしれない。

ティンクはあたしの髪をかき上げ、うなじを露出させると、ソコに熱い吐息
を吹きかけてきた。だからあたしは反射的に "ブルっ" と震える。
「あぁぁ~ん、ティンクぅ~」
するとその時、あたしの脳内に声が聞こえた。
「感じる?」
えっ? なにこれ? テレパシー? 
聞こえたと言うよりは、 "生まれた" と言う方が近いかもしれない。
そうか、妖精はこうやって語りかけてくるのか……。
「あなたは、ティンク、なの……」
「そうよ、あたしはティンカーベル……」

その時あたしは、初めてティンクの声を聞いた。


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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土