2ntブログ

あなたの燃える手で

Welcome to my blog

桃色流星群

15
理事長と樹。二人にはしっかりとした主従関係が出来上がっている。
理事長の有村絹枝がS。連城彩乃のマネージャーである小早川樹がMだ。

二人がこうした関係になったのは、この学園が彩乃の母校でもあり、彼女の娘の
澪が2年生に在学中であることもあり、テレビで顔の売れた彩乃と理事長が顔見
知りになるのに時間は掛からなかった。そしてマネージャーという立場上、彩乃
と行動を共にする樹と絹枝もまた顔見知りとなった。
数回顔を合わせるうちに、彩乃のスケジュールを聞く口実で、絹枝から連絡が
入るようになった。
一度始まった二人のやりとりは加速度的に増え、あっとう間にプライベートでも
食事をするようになった。

今にして思えば、二人は出会ったその瞬間にお互いの性癖を見抜きあっていたの
だろう。しかしお互いの立場上、そこから先は慎重にならざるおえない。
そんな見えない壁を超えたのは、絹枝だった。
と言っても大したことをしたわけではない。ある時訪れた2階にあるレストラン
への急な階段を登って行く時、絹枝が樹の手を握っただけだ。
それは危ないから、と言う口実が後付けでいくらでもできる握り方だった。
しかし握られた樹は、その手を指の間に指を入れる、俗に言う恋人握りへと変え
たのだ。その瞬間、見えない壁は完全に取り払われた。
それからの二人は見つめあい、お互いの体に触れることも多くなり、一夜を共に
することも増えていったのだった。

そして今、理事長の運転する車は高速に乗り、都心へと向かっていた。
「理事長、今日はどちらへ……?」
「今日? 今日はねぇ、ちょっと面白いところよ」
「面白いところ?」
「そう、あなたを可愛がるのに最適なところ……、かもね」
「なんだかドキドキします」
「そうね、楽しみにしてなさい」
「はい」
高速を降りる頃、ビルの谷間に隠れた太陽は、空を茜色に染め始めていた。
「随分と賑やかなところですね」
「そうね、でも誰もあたし達の顔なんて知らないわ。これが彩乃さんなら大変で
しょうけど……」
「確かに、そう思えばこの人混みが逆に落ち着きますね」
「そういうこと。さぁ、着いたわ。ここよ」
そして車は、あるホテルの地下駐車場への坂道を下っていった。
「ここですか?」
「そう、ここ。一度来て見たかったの」
絹枝は適当な場所に車を止めると、バッグを持ってドアを開けた。
後に続くように樹も車外へ出る。
「何かあるんですか? このホテルに」
「あるわよ、大ありよ」
外見は普通のホテルだ。安っぽさも感じないが特別高級な感じでもない。
「えぇっと、フロントは……、あっちかしら?」
絹枝はフロントへの案内を見つけると、その方角に歩いていった。
「あっ、理事長……」
樹は早足で彼女の後に着いていった。
フロントで鍵を受け取ると、今度はエレベーターへと歩いた。
ピンク色の扉の扉が開くと中は思った以上に狭く、6人も乗ればおそらく満員に
なってしまうだろう。
「10階よ。ほらっ」
絹枝が受け取った鍵を見せた。そこには1010とある。
樹が10階のボタンを押すと、エレベーターは静かに二人を最上階へと運んだ。

Comments 0

Leave a reply

About this site
女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
About me
誠に恐縮ですが、不適切と思われるコメント・トラックバック、または商業サイトは、削除させていただくことがあります。

更新日:日・水・土