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あなたの燃える手で

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嗤うペルソナ


麻里奈の両手に嵌められた皮の手枷は、天井から垂れた鎖に繋がれている。
その鎖は天井のクレーンで巻き取られ、今の麻里奈は爪先立ちだ。
そんなマリアの黒いドレスは、ピエロのペルソナをつけた3人の女達によって
切り裂かれ、今や麻里奈の貞操は風前の灯火だった。
そしてまた、3人のピエロが顔を付き合わせるようにして相談を始めた。

「ねぇ、スカートも短くする?」
「えっ? いや、いや、やめて……」
麻里奈の泣きそうな声も届かないとばかりに、ピエロ達の相談は続く。
「そうねぇ。そうする?」
「当然マイクロミニでしょう。超ミニ」
「いや、いやよ。お願いやめてっ」
「そりゃそうよ、履いてる意味のないくらいのミニにしてあげましょうよ」
「賛成~」
すると1人が、すでにズタズタのスカートを横一文字に切り取り始めた。
「あぁーいやぁ。本当に、本当にやめてぇー」
しかしハサミはあっという間に体を周り、切られたスカートは音もなく床にハ
ラリと落ちた。
客達の歓声と拍手が起こる。
残されたスカートはかろうじてショーツを隠している。しかしそれを正面から
見れば、ショーツの一部は見えてしまうほどに短い。
「ついでに上も……」
そういうが早いか、黒いドレスの下半分が切り離され、麻里奈のお腹は丸見え
になった。
ここでまた拍手と歓声が起こった。
もうドレスが隠している部分は、ビキニとほとんど変わらない。しかもドレス
の下はノーブラだ。
歓声の中には、「早く見せてぇ」の声も混ざっているようだ。
「もうみんな待ちきれないみたい」
「そうね。私も客席にいたら "早く見たぁ~い" とか言ってるかも」
「じゃあ、そろそろいきますか」
「上から?」
「そうね、上からいきましょう」
2人のピエロが、これから切りますとばかりにハサミを高くかざすと、ひとき
わ大きな拍手と歓声が起こった。
そしてドレスの肩の部分にハサミが入れられ、鎖骨に沿って切っていく。
ハサミは何のためらいもなく、シャキシャキと音を立てながら、ドレスを切り
離していく。
ドレスをビキニに例えるならば、肩ひもを切っていることになる。つまりすで
に背中を切り離されているドレスは、この肩ひもだけが生命線だ。その生命線
が今、切り離されようとしているのだ。
2人の持つハサミは、切り離しまであと1センチというところで止まった。
するとここで、マイクを持った吉乃の声が聞こえた。
「さぁ、それでは皆様、秒読みをお願いいたします。秒読みとともに、ドレス
の上は床に切って落とされます」
「それでは参ります。10・9・8……」
客たちに声はすぐに揃い、秒読みは無情に進んでいく。
「5・4」
ここでハサミが、その刃を見せつけるように大きく開いた。
「3・2・1」
そして観客とステージが一つになったように、同じ呪文を唱えた。
「ゼロ」

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土