嗤うペルソナ
7
麻里奈の両手に嵌められた皮の手枷は、天井から垂れた鎖に繋がれている。
その鎖は天井のクレーンで巻き取られ、今の麻里奈は爪先立ちだ。
そんなマリアの黒いドレスは、ピエロのペルソナをつけた3人の女達によって
切り裂かれ、今や麻里奈の貞操は風前の灯火だった。
そしてまた、3人のピエロが顔を付き合わせるようにして相談を始めた。
「ねぇ、スカートも短くする?」
「えっ? いや、いや、やめて……」
麻里奈の泣きそうな声も届かないとばかりに、ピエロ達の相談は続く。
「そうねぇ。そうする?」
「当然マイクロミニでしょう。超ミニ」
「いや、いやよ。お願いやめてっ」
「そりゃそうよ、履いてる意味のないくらいのミニにしてあげましょうよ」
「賛成~」
すると1人が、すでにズタズタのスカートを横一文字に切り取り始めた。
「あぁーいやぁ。本当に、本当にやめてぇー」
しかしハサミはあっという間に体を周り、切られたスカートは音もなく床にハ
ラリと落ちた。
客達の歓声と拍手が起こる。
残されたスカートはかろうじてショーツを隠している。しかしそれを正面から
見れば、ショーツの一部は見えてしまうほどに短い。
「ついでに上も……」
そういうが早いか、黒いドレスの下半分が切り離され、麻里奈のお腹は丸見え
になった。
ここでまた拍手と歓声が起こった。
もうドレスが隠している部分は、ビキニとほとんど変わらない。しかもドレス
の下はノーブラだ。
歓声の中には、「早く見せてぇ」の声も混ざっているようだ。
「もうみんな待ちきれないみたい」
「そうね。私も客席にいたら "早く見たぁ~い" とか言ってるかも」
「じゃあ、そろそろいきますか」
「上から?」
「そうね、上からいきましょう」
2人のピエロが、これから切りますとばかりにハサミを高くかざすと、ひとき
わ大きな拍手と歓声が起こった。
そしてドレスの肩の部分にハサミが入れられ、鎖骨に沿って切っていく。
ハサミは何のためらいもなく、シャキシャキと音を立てながら、ドレスを切り
離していく。
ドレスをビキニに例えるならば、肩ひもを切っていることになる。つまりすで
に背中を切り離されているドレスは、この肩ひもだけが生命線だ。その生命線
が今、切り離されようとしているのだ。
2人の持つハサミは、切り離しまであと1センチというところで止まった。
するとここで、マイクを持った吉乃の声が聞こえた。
「さぁ、それでは皆様、秒読みをお願いいたします。秒読みとともに、ドレス
の上は床に切って落とされます」
「それでは参ります。10・9・8……」
客たちに声はすぐに揃い、秒読みは無情に進んでいく。
「5・4」
ここでハサミが、その刃を見せつけるように大きく開いた。
「3・2・1」
そして観客とステージが一つになったように、同じ呪文を唱えた。
「ゼロ」
麻里奈の両手に嵌められた皮の手枷は、天井から垂れた鎖に繋がれている。
その鎖は天井のクレーンで巻き取られ、今の麻里奈は爪先立ちだ。
そんなマリアの黒いドレスは、ピエロのペルソナをつけた3人の女達によって
切り裂かれ、今や麻里奈の貞操は風前の灯火だった。
そしてまた、3人のピエロが顔を付き合わせるようにして相談を始めた。
「ねぇ、スカートも短くする?」
「えっ? いや、いや、やめて……」
麻里奈の泣きそうな声も届かないとばかりに、ピエロ達の相談は続く。
「そうねぇ。そうする?」
「当然マイクロミニでしょう。超ミニ」
「いや、いやよ。お願いやめてっ」
「そりゃそうよ、履いてる意味のないくらいのミニにしてあげましょうよ」
「賛成~」
すると1人が、すでにズタズタのスカートを横一文字に切り取り始めた。
「あぁーいやぁ。本当に、本当にやめてぇー」
しかしハサミはあっという間に体を周り、切られたスカートは音もなく床にハ
ラリと落ちた。
客達の歓声と拍手が起こる。
残されたスカートはかろうじてショーツを隠している。しかしそれを正面から
見れば、ショーツの一部は見えてしまうほどに短い。
「ついでに上も……」
そういうが早いか、黒いドレスの下半分が切り離され、麻里奈のお腹は丸見え
になった。
ここでまた拍手と歓声が起こった。
もうドレスが隠している部分は、ビキニとほとんど変わらない。しかもドレス
の下はノーブラだ。
歓声の中には、「早く見せてぇ」の声も混ざっているようだ。
「もうみんな待ちきれないみたい」
「そうね。私も客席にいたら "早く見たぁ~い" とか言ってるかも」
「じゃあ、そろそろいきますか」
「上から?」
「そうね、上からいきましょう」
2人のピエロが、これから切りますとばかりにハサミを高くかざすと、ひとき
わ大きな拍手と歓声が起こった。
そしてドレスの肩の部分にハサミが入れられ、鎖骨に沿って切っていく。
ハサミは何のためらいもなく、シャキシャキと音を立てながら、ドレスを切り
離していく。
ドレスをビキニに例えるならば、肩ひもを切っていることになる。つまりすで
に背中を切り離されているドレスは、この肩ひもだけが生命線だ。その生命線
が今、切り離されようとしているのだ。
2人の持つハサミは、切り離しまであと1センチというところで止まった。
するとここで、マイクを持った吉乃の声が聞こえた。
「さぁ、それでは皆様、秒読みをお願いいたします。秒読みとともに、ドレス
の上は床に切って落とされます」
「それでは参ります。10・9・8……」
客たちに声はすぐに揃い、秒読みは無情に進んでいく。
「5・4」
ここでハサミが、その刃を見せつけるように大きく開いた。
「3・2・1」
そして観客とステージが一つになったように、同じ呪文を唱えた。
「ゼロ」