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あなたの燃える手で

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嗤うペルソナ


ドレスを切る。そんな朱音の言葉に満里奈は耳を疑った。
「ドレスを切るって……、今ここで?」
「そうだよ」
「そんなっ、嘘でしょう」
「本当だよ。みんなの見ている前で、チョキチョキ切られるんだよ」

ハサミの入れの儀式のダーツの的が回転を始めた。
吉乃はそこに向かって間隔をあけながら、3本のダーツを投げた。
的の回転が止まると、紫音が番号を読み上げた。
「5番・11番・29番の方々です。おめでとうございます」
客席から呼ばれた3人が立ち上がり、嬉々としてステージへ向かった。
3人はそれぞれ大きな裁ちバサミを受け取ると、両手をつられた麻里奈を取り
囲んだ。
「ねぇ、やめて。お願い、やめてください……」
しかし3人のピエロ達は、顔の高さにハサミを掲げると、チョキチョキと音を
立てながら開閉を繰り返した。それはまるで、麻里奈が3人のピエロにからか
われているようにも見える。
「いやっ、いやっ」
「さぁ、それではどうぞ」
その掛け声とともに、3人のピエロはハサミを麻里奈に向けた。
「いやっ、いやよっ、本当にいや、やめてっ……」
麻里奈はハサミから逃れるように体を引いた。しかしそれは、黒いイブニング
ドレスの裾を揺らしただけだった。
「うふふっ、ま・ず・は・スカートにスリットを入れましょうかぁ」
1人のピエロが、スカートの真横の裾からハサミを入れ、そのまま上へと切り
上げていく。
「あらぁ、それじゃあたしはこっち側に……」
もう1人のピエロが、反対側を切り上げていく。
「あたしは背中が全部見えるように……」
3人目のピエロは、ドレスの後ろ、元々大きく開いているドレスの真ん中を、
そのまま腰へと切っていく。
「いやっ、やめてっ、みんなやめてください」
「ほぉ~らっ、下まで全部よぉ~」
「いやぁ~」
ドレスは切られながら左右に開き、ついに2つに切り離された。これで麻里奈
の背中は腰から上が全て丸見えになった。
スカートのスリットは腰骨ギリギリまで入れられ、スリットの上部には白いシ
ョーツが見えている。
「あらぁ、綺麗な背中してるじゃない」
「脚のラインもなかなかよぉ」
「本当、綺麗な脚ねぇ」
「これは皆さんにもっとご覧いただかないと……、ねぇ」
「そうね。それじゃ正面にもスリットいれない?」
「いいかも、上までしっかり入れましょう。ショーツが丸見えになるように」
「わかったわ」
スカートの横にスリットを入れた2人のピエロが、今度は正面を大きく三角形
に切り始めた。2つのハサミは同じ頂点を目指し、シャキシャキと小気味よい
音を立てながら登っていく。
「それじゃあたしは、お尻を丸く切り取ってあげるわ」
もう一人のピエロが、後ろに回りドレスを丸く切り抜き始めた。
「あぁっ、やだっ見えちゃう。ちょっと、本当にやめてください」
ここで吉乃が、麻里奈と3人のピエロに歩み寄った。
「まぁ、素敵な作品になりそうですわ。この辺で一度、途中経過を皆様にもご
覧いただきましょうか」
すると麻里奈に、ひときわ明るいスポットが当たった。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土