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あなたの燃える手で

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嗤うペルソナ


天井から垂れた鎖は太く、麻里奈を10人吊るしてもビクともしないだろう。両手を吊られた麻里奈は、爪先立ちで抵抗を試みるも全ては徒労に終わる。
いやそれすらが、ペルソナをつけた客達の嘲笑を誘うのだった。
そんな麻里奈に、ただ一人和服を着た吉乃が近づくと、両手で麻里奈の頬を挟
み込んだ。
「まぁ、麻里奈。その可愛い顔をよく見せて……」

間近で見る満里奈のセミロングの髪は、限りなく黒に近いブラウンだった。
大きな濡れた瞳。スッと通った鼻筋。桜色のポッテリとした唇。それらはその
気のある女性なら、誰でも吸い付きたくなるだろう。
首から下は程よく肉付きが良く、胸はドレスを押し上げ、ウエストはキュッと
くびれ、今はドレスに隠れたお尻も、プリッとした形が想像できる。
だから吉乃も、その唇に自分の唇を寄せた。
しかし麻里奈はそれを首を振って拒んだ。
「んんっ、いやっ……」
「あらっ、いやなの?」
「いやです、そんな、女同士で……」
「でもあなた、この店がどういうところか知って来たんでしょう」
「でも……、あたし、こんなことをするなんて聞いてません」
「そうねぇ、でも麻里奈、あなた今日ここへ来ることを誰かに言った?」
「いえっ、別に言ってませんけど」
「そうよねぇ、言えないわよねぇ、こんな店に来ることなんか。今日あなたが
アパートに帰らなくても、誰も気がつかないし、誰も心配しない。明日も明後
日も、ずぅ~とね」
「ずぅ~とって、どういう意味ですか……?」
「だからずぅ~とよ。あなたはねぇ、麻里奈。……もう捕まったの」
「えっ……?」
「つまり麻里奈、君はもう帰れないということだ。行方不明、失踪人」
「可哀想な麻里奈ちゃん。でも大丈夫。別に死ぬわけじゃないから。それに、
私達がいぃ~ぱい可愛がってあげる」
「そんなっ、いやっ、いやよ。私を帰して……」
「うふふっ、無駄よ、無駄……。いいわ、キスは後でゆっくりしてあげる」
すると吉乃は、客席に向き直った。
「それでは皆さま、恒例の "ハサミ入れの儀式" でございます」

朱音が裁ちバサミとダーツの矢を3つづつ、トレイに乗せて持ってきた。
ダーツの的はステージから降りたすぐ横、客席に向かって置かれている。
「それでは抽選を行わせていただきます」
朱音の持ったトレイから、紫音が3本のダーツを取りそれをママに渡した。
するとママはステージから降り、矢を投げる位置で立ち止まると、客席に向か
って一礼した。そして一転背を向けると今度は的にむかった。

「これはなに? なにをする気?」
「これはね、ハサミ入れの儀式でハサミを使う人を抽選で選ぶの。あの的に番
号が書いてあるでしょう。あれがクルクル回って、そこにダーツを投げて、番
号に当たった人がハサミを使えるんだよ」
確かによく見れば、ダーツの的には中心から放射状に人数分が区切られ、番号
が振られている。
そして朱音の説明を受け継ぐように、紫音がセリフめいた口調で続けた。
「今回のお客様はちょうど30人。その中から3人だけがハサミを入れられる」
「ハサミを入れるって……、何に?」
「このドレスに」
「えっ?」
「だ・か・ら・麻里奈ちゃんの着ているこのドレスを、ハサミでチョキチョキ
切っちゃうってことだよ」

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土