白い魔女
71
千鶴の退院当日。千鶴は着替えなど全てのものを一つのバックにまとめた。
「これでよしと。忘れ物も無しと」
千鶴はバックを持って立ち上がった。少々ふらつくが大丈夫だ。
そこに沙也加が病室に駆け込んできた。
「千鶴。もう行くの?」
「廊下は走らないでください。危ないですから」
「もう、最後に1本取られましたか」
千鶴はバッグをベッドに置いた。
「いままで色々と、ありがとうございました。お世話になりました」
「いいえ。どういたしまして」
二人は向かい合って深々と腰を折った。そして腰を戻すと見つめ合って笑った。
「もう、千鶴ったら。急にまじめに何よ」
「だって、お礼を言うのは当たり前でしょう」
「そりゃそうだけど、ねぇ千鶴。必ず連絡してね」
「もちろん。とりあえずメールは毎日するよ」
「うん。あたしもする」
「とりあえず落ち着いたら、どっか遊びに行こう。それまでにあたし完璧に歩けるようになってるからさ」
「うん。約束だよ。頑張ってね。楽しみにしてるから」
「それじゃね。沙也加」
千鶴が右手を差し出した。
「それじゃね。千鶴」
沙也加がその手を握った。
最初はやや冷たく感じた手も、やがて体温が一つになるように溶け合った。
地下室のドアが音もなく開き、真弓が入ってきた。
「お楽しみの所悪いわねぇ雪絵」
「まっ、真弓」
御堂は突然の真弓の登場に一瞬硬直したように緊張した。
「真弓、どうしてここへ?」
「夜勤明けでゆかりもいないから、もしかしたらココかしらと思って」
「真弓……」
「雪絵、これ、あなたの机にあったCDよ。見せてもらったわ。どういうことかしら?」
真弓はピンク色のCDの入ったケースを指先で挟み、振って見せた。
「それは……」
真弓は御堂の元に歩み寄ると、ゆかりを解放し自分の後ろに立たせた。
「ゆかりはそこで自分の下着を身につけた。
「雪絵、服を脱いでソコに座りなさい。あなたはあたしを裏切ったのよ」
全てを知られた今、御堂には返す言葉がなかった。
真弓の言いようのない威圧感に、御堂は分娩台に座った。
「ゆかり、雪絵を縛り付けるの手伝って」
「はい」
数分後、御堂は今までゆかりのしていたのと同じ格好で縛り付けられた。
千鶴の退院当日。千鶴は着替えなど全てのものを一つのバックにまとめた。
「これでよしと。忘れ物も無しと」
千鶴はバックを持って立ち上がった。少々ふらつくが大丈夫だ。
そこに沙也加が病室に駆け込んできた。
「千鶴。もう行くの?」
「廊下は走らないでください。危ないですから」
「もう、最後に1本取られましたか」
千鶴はバッグをベッドに置いた。
「いままで色々と、ありがとうございました。お世話になりました」
「いいえ。どういたしまして」
二人は向かい合って深々と腰を折った。そして腰を戻すと見つめ合って笑った。
「もう、千鶴ったら。急にまじめに何よ」
「だって、お礼を言うのは当たり前でしょう」
「そりゃそうだけど、ねぇ千鶴。必ず連絡してね」
「もちろん。とりあえずメールは毎日するよ」
「うん。あたしもする」
「とりあえず落ち着いたら、どっか遊びに行こう。それまでにあたし完璧に歩けるようになってるからさ」
「うん。約束だよ。頑張ってね。楽しみにしてるから」
「それじゃね。沙也加」
千鶴が右手を差し出した。
「それじゃね。千鶴」
沙也加がその手を握った。
最初はやや冷たく感じた手も、やがて体温が一つになるように溶け合った。
地下室のドアが音もなく開き、真弓が入ってきた。
「お楽しみの所悪いわねぇ雪絵」
「まっ、真弓」
御堂は突然の真弓の登場に一瞬硬直したように緊張した。
「真弓、どうしてここへ?」
「夜勤明けでゆかりもいないから、もしかしたらココかしらと思って」
「真弓……」
「雪絵、これ、あなたの机にあったCDよ。見せてもらったわ。どういうことかしら?」
真弓はピンク色のCDの入ったケースを指先で挟み、振って見せた。
「それは……」
真弓は御堂の元に歩み寄ると、ゆかりを解放し自分の後ろに立たせた。
「ゆかりはそこで自分の下着を身につけた。
「雪絵、服を脱いでソコに座りなさい。あなたはあたしを裏切ったのよ」
全てを知られた今、御堂には返す言葉がなかった。
真弓の言いようのない威圧感に、御堂は分娩台に座った。
「ゆかり、雪絵を縛り付けるの手伝って」
「はい」
数分後、御堂は今までゆかりのしていたのと同じ格好で縛り付けられた。