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あなたの燃える手で

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ピエロの方程式


「おー、良い気持ちじゃサクラ。お主は揉むのが上手いのぉ~」
「コレはコレは姫様、お褒めに預かりこのサクラ、恐悦至極に存じます」
「ほっ、ほっ、ほっ、良い良い。それよりも、もっと揉んでたもれ」
「はっはぁ~、姫様」
ミサキとサクラはふざけながら、練習後のマッサージを始めた。しかし練習後
の汗が染み込んだウェアーで、2人の体が冷え始めたのだ。
「ココは少々寒いのう、サクラ」
「それでは続きは部室で……」
2人は部室へと戻った。上級生は既に帰っており、2人のカバンだけがポツン
と残っていた。壁のホワイトボードには、先に帰る旨の走り書きが黒いペンで
書かれている。
「あぁーあっ、あたし達だけかぁ」
「まっ、予想はしてたケド。ねっ、ミサキ……」
「うん。あっ、そうだサクラ、この前さぁ、屋上でサラ先生に会ったよ」
「へぇ~、それで?」
「それでって……」
その時、ミサキの脳裏にサラの言葉が蘇った。
"誰にも内緒。絶対秘密よ"
ミサキはのど元まで出掛かった、キスという言葉を飲み込んだ。
「えっ? それでって、別に何がどうってワケじゃないんだけどさぁ」
少々ばつが悪そうに、ミサキはその場を取り繕った。そして彼女との約束通
り、キスのことは黙っていた。
しかし女の勘の鋭さか、今度はサクラがミサキに迫ってきた。
「何よぉ~、気になるじゃないのぉ。あの先生と何かあったの?」
「何かあったのって聞かれてもぉ。ねぇ、サクラはキスってしたコトある?」
「えっ? キス?」
「うん、キス……」

別にサクラとそういう関係があるわけではない。ましてや、いや勿論キスすら
したコトもない。
彼女の自分に対する思いはなんとなく分かっていた。ただいままではそれが友
人としてなのか、はたまたそう言う性癖としての感情なのかが分からなかった
のだ。
今までは会えて目を瞑ってきたこの問題に、あえて自ら一石を投じたのは、こ
の間先生にキスをされ、ミサキの中で何かが目覚めせいかもしれない。

「あたしはないケド……。ミサキはあるの?」
サクラは不安げな目でミサキを見た。
「えっ? あたし? あたしはないよ、ないない、キスなんて……」
「ねぇ、してみようか」
「えっ? してみようかって……?」
「だからぁ~、キスしてみようかって言ってんの。あたしミサキだったらいい
よ。ファーストキスを捧げても」
「でもぉ、でもさぁ」
「イイじゃん。ちょうど誰もいないしさぁ」
「そ、そうだけど……」
「ねぇ、してみようよ、別に悪いコトじゃないんだから」
「でもさぁ、今ココでって……」
「誰かいるの? 好きな人」
サクラは、今度はヤケに悲しそうな目で見つめてくる。
「い、いないよ」
「それじゃ……、目をつぶって」
「う、うん」
ミサキが目をつぶると、サクラの柔らかな唇が重なった。
それはサラよりも優しいキスだった。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土