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あなたの燃える手で

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怪盗ムーンライト


七海美術館からの犯行予告を受け、その日のうちに『怪盗ムーンライト特別捜
査本部』が設置された。
ムーンライトから予告状が届くと、その逮捕に向け設置される特別捜査本部で
はあるが、殺人事件などの重要犯罪ではないため、集められる人員は毎回総勢
20名ほどだった。そしてその陣頭指揮は竜胆が取る事になっている。
言わばこの捜査本部が、そのまま竜胆班と言ってもいい。
そして竜胆の呼集の元、早速緊急会議が開かれた。

静寂を保った会議室で、竜胆は20人と向かい合っている。
そして彼女は1人椅子から起ち上がった。
「まず最初に……、分かってるとは思うけど、月光は変装の名人ということ。
今回も誰に変装するか分からないわ。油断は禁物よ」
「はい」
カンナが真っ直ぐに右手を挙げた。
「はい、そこ。……あぁカンナね」
指名されると、カンナが起ち上がった。
「それって、竜胆さんやヒロミさんにも変装するかもってことですか?」
「そうね。可能性は低いと思うけど、ゼロではないわね」
「うひゃー、それじゃ合い言葉でも決めておかないと……」
「それくらい用心するに越したことはないわ」

カンナは座ると、隣にいるヒロミを見た。
「どうします? ヒロミさん。決めておきます? 合い言葉……」
カンナはヒロミに顔を近づけると、その顔をマジマジと見た。
「そうね、後でね」
「ルフィーとナミなんてどうです?」
「あぁ?」
「あっ、知りません? じゃ……、アムロとシャーとか……」
「バカか……! お前は」
「今はこっちに集中しろ! カンナ」
「ほらっ、そこっ。いいかぁ」
竜胆の目が、射貫くように2人見た。
ヒロミは竜胆からの無言の要求のように、カンナの頭をゲンコツを落とした。
「痛っ……。はい、すいません」
カンナは竜胆にペコリと頭を下げた。

「それから……、月光は今まで人を殺めたことはない」
「それは1度もですか……」
「1度もだ。」
「しかし、奴が盗む物は国宝級のお宝だ。決して見過ごすことは出来ない」
するとまたカンナが、ヒロミに顔を向けた。
「別に国宝級だからってことはないですよね。盗みは盗みですよ」
「まぁね」
「事件に大きい小さいもないって、あのドラマでも言ってました」
「いいから、話聞いてなさい」
ヒロミはまたカンナの頭をゲンコツを落とした。
「痛っ……。すいません」
そのやりとりを見守っていたかのように、竜胆が言葉を続けた。
「それから……。月光に関して、興味深い事実がある」
「興味深い事実? って、なんです? ヒロミさん」
「さぁ……?」
竜胆のその言葉に、会議室がまた静寂に包まれた。

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女が女をじっくりと、生殺しのまま犯していく。その責めに喘ぎ仰け反る体。それは終わり無き苦痛と快楽の序曲。     
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更新日:日・水・土