16 濃霧の中を歩くあんずに、どこからか自分を呼ぶ声が聞こえる。声のする方へと歩いていくと、霧の中に人影が見える。やがてその人影は、美穂の形をとり始めた。「あれっ? 先生……? やっぱり美穂先生だ」「うっふふっ、可愛い……。あんずちゃん」美穂は自分に辿り着いた、あんずの両手を握った。「あんずちゃん。先生の言うこと、なんでも聞けるわね」「はい。もちろんです。なんでも言うこと聞けます」「そう、それじゃ、まず...