マリアと響子PROLOGU その日マリアは、久しぶりに『カフェ アマデウス』を訪れた。「いらっしゃいませぇ~」「きょ~こっ」「マァ~リアっ」響子はマリアの後ろを、店の奥へと歩いていく。マリアは店の一番奥にある、いつものソファ席に座るとバッグを隣に置き、スマホを取り出してテーブルに置いた。1 マリアはスマホを手にすると、画面に指先で触れた。そんなマリアを見下ろしながら、響子が言った。「ねぇマリアぁ、あたし達...