37 最終話軽い気持ちで行った朝風呂が,随分と時間が経ってしまった。それでも麗子は、なに食わぬ顔で部屋へと戻った。「麗子、随分長い朝風呂だったわね」「旅行なんて滅多に出来ないでしょう。だから最後にゆっくり浸かっておこうと思って……」「まぁね、帰り支度も出来てるし。あたしも入っておけば良かったわ」「あなたはいつでも来れるじゃない……。さぁ、時間よ。行きましょう」二人が一階に下りると、女将が見送りの為に待っ...