11麗子がパリへ発った翌日の昼下がり、マリアのスマホが着信を告げた。「あっ、ママさんから……」マリアはスマホを耳に当てた。「あっ、マリアちゃん?」「はい」「麗子が行っちゃって、寂しくない?」「今のところ大丈夫です。逆に清清してるくらいです」「またぁ、そんなこといって……。ホントは寂しいんでしょう」「えぇ、まぁ、チョットはぁ、そのぉ……」「うっふふっ。良かったらいらっしゃい。響子ちゃんもいるし」「はい、あり...