11:最終話後ろから声を掛けられ、あたしは目が覚めたように辺りを見回しました。するとあたしは黒百合書房の本棚の奥、コの字型に凹んだ通称ポケットで、あのSM雑誌を立ち読みしていたのです……。あたしは声の主、裏道のモナリザに向き直りました。「あっ、すみません」「いいだよ。立ち読みくらい。それより、今ならお客もいないし、その本を買うならチャンスだよ」「えっ? あっ、はい……。それじゃ、これください」あたしはちょ...