20桃華ちゃんは部屋の隅で、背を向けて立っています。足元には脱いだ着物が重なり、俯いたその後ろ姿は、恥ずかしさに打ち震えています。「さぁ桃華、こっちをお向き」「えっ? あっ、は、はい……」桃華ちゃんが、ゆっくりと正面を向きました。「もっとこっちにいらっしゃい」桃華ちゃんは両手で前を隠したまま、天然木のテーブルを挟んで、あたし達と向かい合いました。「桃華。その両手を退けて、梨々香に見て頂きなさい」「えっ...