26彩乃は樹の上半身へと移動した。樹の上半身は両手を後で縛られ、その縄で二の腕も体の横にピタリと付けて縛られている。両脚のようにベッドには縛り付けらてはいないが、体勢的に自由はなく、ベッドに縛り付ける必要がないというのが正解だろう。そんな樹の胸の横に、彩乃は腰を下ろした。赤い蝋燭には刻一刻とロウが溜まり、零れ落ちるのを今か今かと待っていた。「大事な連絡を忘れるなんて、本当にダメマネージャーね」「すみ...