5それはアリス達三人が、ザラザラ坂を登っている頃のことだった。雛百合学園女子高等部生徒会長『白鳥くるみ』のポケットの中で、スマホが着信を告げた。くるみはスマホを取り出すとディスプレイを見た。「校長先生……」相手は、この学園の校長『野々村志摩』だった。「はい、もしもし」「あっ、くるみちゃん。テストどうだった? 出来た? くるみちゃんのことだから、心配ないとは思ってるけど……」「はい、大丈夫です。自分の実...