21「あのう、婦長さん……、早くしてください」御堂は栞の左足首の縄を解き始めたが、その作業は遅々として進まない。勿論彼女はワザと時間を掛けている。「待ってねぇ~、今解いてますから……」手から解かないのは、栞の両手を出来るだけ使わせないためだ。「大丈夫? 我慢できますか?」「もう、もうかなり危ないです」「そうですかぁ。間に合わないかも、しれませんねぇ」「えっ? そんな、あたしどうすれば……」「その場合、選択...